研究課題/領域番号 |
19KK0412
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研究種目 |
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
日暮 琢磨 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90622580)
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研究期間 (年度) |
2020 – 2021
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
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キーワード | 大腸癌 / 化学予防 / アスピリン / オルガノイド / メトホルミン / 大腸発癌 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は全世界的に増加傾向であり早急な対策が求められる。これまで大腸癌の予防法としては、検診で早期発見や早期治療を行うことが重点的におこなわれていたが、死亡率の低下は限定的であった。近年は多くの疾患が対策型の治療から疾病予防へとシフトしてきており、大腸癌においても罹患予防を進めていく必要がある。メトホルミンやアスピリンは大腸癌予防効果の報告があるが、機序が十分解明されていないため、新規培養技術であるオルガノイドを用いて、薬剤がどのように抗大腸腫瘍効果を発揮するのかを解明し、その有効性を証明し臨床応用につなげることで、増加し続ける大腸癌の罹患率・死亡率を減少させることを目標としている。
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研究成果の概要 |
Harvard medical school (HMS), Massachusetts General Hospital (MGH),のClinical and Translational Epidemiology Unit長であるAndrew T. Chan教授と共同で『メトホルミンとアスピリンを用いた大腸癌化学予防法の開発』を行った。 アスピリンはCOX1/2阻害によるアラキドン酸・PGE2低下により癌予防効果を有し、メトホルミンはAMPK活性化によるmTOR pathwayの抑制により癌予防効果を有する。異なる2剤を併用する事でより高い癌予防効果を発揮するという結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌は全世界的に増加傾向であり、早急な対策が求められている。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬、新規抗がん剤などの進歩により大腸癌の生存期間の延長や、死亡率の低下は認めているものの、比例して医療費の増大も著しい。また、便潜血による健診や、内視鏡検査によるポリープ切除は大腸癌の死亡率を下げることが報告されているが、大腸ポリープや癌を内視鏡治療した患者はその後も再発/新規発生が多いことが知られており問題となっている。本研究は根本的な対策である一次予防(健康増進/疾病予防)であり今後の大腸癌の罹患/死亡率の抑制や、高騰する医療費の抑制により重要となるものであり、社会的意義が大きい。
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