研究課題/領域番号 |
19KT0010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
次世代の農資源利用
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
上中 弘典 鳥取大学, 農学部, 准教授 (40397849)
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研究分担者 |
伊福 伸介 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (70402980)
遠藤 常嘉 鳥取大学, 農学部, 教授 (70423259)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,590千円 (直接経費: 14,300千円、間接経費: 4,290千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 未利用バイオマス / 廃カニ殻 / ナノファイバー / 有機農業 / 植物 / 土壌 / 病害抵抗性 / 生育促進 / 未利用バイオマス利用 / 病害抵抗性誘導 / キチンナノファイバー / 土壌改良 / バイオマス |
研究開始時の研究の概要 |
有機農業で生産性向上可能なナノファイバー化技術を用いた廃カニ殼の有効利用技術の開発を目的に、カニ殻をナノファイバー化して得られるキチンナノファイバー複合体の土壌施用による土壌環境と植物への影響評価により、ナノファイバー化による廃カニ殻の機能向上とカニ殻による土壌改良に貢献する成分の同定と施用効果を生ずるメカニズムを明らかにする。また、キチンナノファイバーの加工技術を利用して、土壌施用に最適なカニ殻由来キチンナノファイバー複合体の形状も決定する。ナノファイバー化によるカニ殻の機能向上技術は、不要なカニ殻を新たな資源とし、水産業と農業のいずれにも利益をもたらす一石二鳥の技術であるといえる。
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研究成果の概要 |
有機農業で生産性向上可能なナノファイバー化技術を用いた廃カニ殼の有効利用技術の開発を目的に、本研究ではカニ殻をナノファイバー化して得られるキチンナノファイバー(CNF)複合体について、土壌施用に最適な形状の決定、ならびに土壌環境と植物に対する影響評価を実施した。その結果、土壌施用には水分散液の形状が最適であること、ならびに植物の生育促進と病害抵抗性の向上においてはカニ殻の成分であるキチン、タンパク質、ミネラル分を全て含むCNF複合体の施用効果が最も高いことを明らかにした。またこれまでの知見とは異なり、CNF(複合体)の土壌施用による放線菌などのキチン分解性細菌に対する影響は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農工連携の異分野融合研究により、廃カニ殻の農業分野での利用にナノファイバー化技術が非常に有効であることが明らかとなった。特に廃カニ殻を直接物理処理するだけで製造可能なキチンナノファイバー複合体の効果が最も高く、これは有機農業に利用できる。そのため、農業分野における地域の未利用資源「廃カニ殻」の有効活用と特に有機農業での利用促進に生かされると期待される。また、ナノファイバー化技術を用いて製造した材料を用いることでカニ殻の構成成分毎の効果を比較することが可能になり、その結果キチンやカニ殻の土壌改良効果に関してこれまでとは異なる知見も得られたため、本技術の利用は学術的にも有用であるといえる。
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