研究課題/領域番号 |
19KT0035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
次世代の農資源利用
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
池田 善久 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (00735318)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 沿面放電 / 魚卵 / 分子導入 / スマ魚卵 / メダカ魚卵 / 分子導入法 |
研究開始時の研究の概要 |
魚卵に対し簡便で大量処理可能な高効率な遺伝子・分子導入を実現するための沿面放電処理技術を確立し、導入機序を明らかにする。分子導入実験には地元愛媛で完全養殖に成功している海水魚のスマと、モデル生物として広く研究に用いられている淡水魚のメダカの魚卵を用いる。研究初年度は、導入物質はFITC-Dextran(蛍光分子)を用いて、蛍光観察により導入を判定する。導入技術が確立された後は、プラスミドDNAやRNAなどを導入し、機能発現の有無を評価する。
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研究成果の概要 |
スマとメダカ魚卵について、沿面放電による蛍光分子(FITC-Dextran: 10 kDa)導入を試みた結果、スマ魚卵に対しては沿面放電の電流値が70 mA付近で孵化率および導入率が最大となる傾向が確認された。また電流値や液量が孵化効率や導入率に影響を与えていることが明らかとなったことから、溶液や魚卵のインピーダンスが分子導入のための沿面放電処理条件に関係していることが示唆された。 一方でメダカ魚卵に対しては、沿面放電処理により蛍光分子が卵膜を通過し、卵膜と胚の隙間である囲卵腔に到達していることを確認したが、胚への導入は確認されなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年遺伝子導入やゲノム編集技術が注目されており、養殖魚の品種改良にも用いられつつある。しかし魚卵初期胚へ遺伝子・分子導入は、マイクロインジェクション法と呼ばれる手作業による導入作業に頼っており、作業効率の低さと侵襲性の高さが問題となっている。本研究は、マイクロインジェクション法に換わる、汎用性が高く、大量処理可能で、高導入効率な遺伝子・分子導入法を実現するため、沿面放電を用いた遺伝子・分子導入法を提案している。学術的には沿面放電による電気的、化学的刺激が魚卵の細胞応答の新たなメカニズムを明らかにすることが期待される。また社会的には、養殖魚の育種技術の発展に寄与することが期待される。
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