研究課題/領域番号 |
19KT0044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
情報社会におけるトラスト
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
池亀 彩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (40590336)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ギグ・エコノミー / 経済人類学 / インド / マレーシア / 配車アプリ / ドライバー / ギグエコノミー / 新興国 / 人類学 / デジタル労働 / プラットフォーム資本主義 |
研究開始時の研究の概要 |
経済新興国インドは、雇用なき発展といわれる現状が指摘される一方で、情報技術を用いた不安定な大量の「雇用」が生み出されている。本研究では配車サービス・アプリによって出現した150万人ともいわれるドライバーに着目し、彼らが、それまで生活をそれまで守っていた様々なトラスト関係(親族、カースト、宗教団体、ユニオンなど)が新しい状況にどう対応し、変化しているのかを明らかにする。刻々と変化する労働者とプラットフォーム技術との関係を追いながら、より人間的な経済関係の可能性を考察する。
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研究成果の概要 |
本研究は、コロナ感染症拡大のため、予定していたインドのフィールドワークができなかったため、マレーシアとの比較調査に変更した。これによりインド一国では見えてこなかった、新興国の中での違いが明確になり、研究成果としては意義のある成果が出た。インドではSNSなどを使って、配車アプリを使うドライバーに遠隔でインタビューを行った他、マレーシアでは、実際に配車アプリを使用し、ドライバーの方々と直接のインタビューを行うことが出来た。また現地で研究助手をお願いし、インタビューを継続してもらうことが出来た。2021年には初期のインタビューを元にした研究成果を単著の一部として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インドとマレーシアという経済新興国の二つを対象とすることで、二国間に大きな違いがあることが分かった。それぞれの国の、配車サービスやタクシー免許などに関する法的制限、労働市場の性格、ドライバーという仕事に対する文化的意味づけなどが明らかになった。日本においても、「プラットフォーム資本主義」というアプリを通じた新しい働き方の問題点が多く指摘されているが、アジアの新興国では、プラットフォームの弱みを巧みに利用し、顧客との新たな信頼関係を構築するなど、ドライバー自身の戦略も見えてきた。本研究は、搾取という側面ばかりが強調されがちなギグ・エコノミーを巡るより広い議論へも貢献することができると考えている。
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