研究課題/領域番号 |
20012005
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
牟田 達史 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60222337)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
11,800千円 (直接経費: 11,800千円)
2009年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2008年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 炎症 / 発がん / nuclear factor-κB / 転写因子 / IκB-ζ / 転写制御因子 / TAB2 / クロマチンリモデリング / 阻害剤 / スクリーニング |
研究概要 |
慢性の炎症が基盤となってがんが発生する。炎症応答においては、転写因子Nuclear Factor(NF)-κBによる遺伝子発現が主要な働きをしているが、多機能転写因子であるNF-κBによる選択的遺伝子発現機構については、不明な点も多い。本研究では、研究代表者らが発見した炎症制御に機能する1kB-ζによるNF-κBの標的遺伝子制御機構を明らかにする目的で、酵母two-hybirdシステムを活用したIκB-ζ結合タンパク質のスクリーニングを行った。 IκB-ζのC末端領域をbaitに用いたスクリーニングの結果、TAK1 binding protein(TAB)2をコードするクローンが数種類得られた。HEK293細胞内で発現したTAB2のC末端領域を免疫沈降したところ、強制発現したIκB-ζのC末端領域との共沈降が観察され、両者の哺乳動物細胞における結合が観察された。IκB-ζのC末端領域には、種を超えて保存されたTAB2 bindingmotif, H(X)_7LLが存在した。1κB-ζとTAB2を共発現したところ、1κB-ζの標的遺伝子であるneutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL)やβ-defensin2の転写を協調的に活性化した。一方、こうした活性化はTAB2のみを単独で発現した場合や、NF-κBの典型的な標的遺伝子を用いた場合には観察されず、両者の結合の機能的な関連が示唆された。TAB2は、細胞質中でNF-κB活性化におけるTAK1の活性化に関与する他、核内のTAB2が、核内受容体-corepressor複合体の核外移行に関与するとの報告があり、上記の実験結果より、TAB2との結合が、1κB-ζ依存性のクロマチンリモデリングに関与している可能性が示唆される。
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