研究課題/領域番号 |
20012008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村山 明子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50431656)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2009年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
2008年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | Mybbpla / p53 / 核小体 / アポトーシス |
研究概要 |
核内構造体の一つである核小体は、これまで単なるリボソーム合成の場として考えられてきた。しかし近年、DNA損傷等の細胞傷害に対する応答反応にも深く関与することが報告されている。申請者は、核小体蛋白質MYBBP1Aがp53の転写活性を正に制御することにより、正常な傷害応答反応を引き起こすことを新たに見出した。 MYBBP1Aはp53と直接相互作用することから、p53内におけるMYBBP1A結合領域の同定を試みた結果、アセチル化修飾を多く受けるC末端領域に結合することが明らかとなった。p53はアセチル化修飾によって転写活性が上昇することが報告されている。MYBBP1Aのp53アセチル化に与える影響を解析した結果、MYBBP1A過剰発現によってアセチル化修飾の促進が、ノックダウンによって抑制が見られた。そこで、p53をアセチル化する酵素p300に注目し解析を行った結果、MYBBP1Aはp300のp53への結合を強化させることが明らかとなった。最後に、MYBBP1Aのin vivoでの役割を解析するため、MYBBP1Aノックダウン細胞にDNA傷害を与えた結果、細胞死の抑制が観察された。以上より、MYBBP1Aはp53と結合し、p300とp53の結合を増強させるとことでp53アセチル化を促進し、正常な傷害応答反応(細胞周期停止とアポトーシス)を引き起こすことを明らかにした。 さらに、申請者はMYBBP1Aのノックアウトマウスを作製した結果、ノックアウトマウスは胎生8.5日以前に致死であることが明らかとなった。この結果から、MYBBP1Aがp53の活性制御に加え、発生過程において別の重要な役割を担っていることが明らかとなった。
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