研究課題/領域番号 |
20012042
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小林 隆志 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30380520)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2009年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
2008年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
|
キーワード | サイトカイン / シグナル伝逹 / 炎症 / 発がん / インターフェロン / T細胞 / マクロファージ / 樹状細胞 / SOCS1 / TRAF6 / シグナル伝達 / Th1 |
研究概要 |
TLRシグナルを制御する細胞質内分子FLN29やSOCS1の抗腫瘍免疫や炎症性発がんにおける意義を解明するため、以下の実験を行った。 (1)myeloid系細胞特異的SOCS1欠損(SOCS1-cKO)マウスを作製し、突然変異誘発剤と腸炎誘導剤(DMH+DSS)による大腸がんの炎症性発がんモデル実験を行ったところ、SOCS1-cKOマウスは発がん抵抗性を示し腫瘍数が減少することを見いだした。また、B16メラノーマ細胞の移植モデルでも、SOCS1-cKOマウスで腫瘍体積の減少と生存率の上昇を認めた。この作用はIFNγ欠損背景ではみられないことから、SOCS1欠損マクロファージや樹状細胞がIFNγを介してTh1型ヘルパーT細胞を積極的に誘導してCTLを活性化するものと考えられた。また、マクロファージ自身もNO産生が増加しており、腫瘍障害活性は亢進していた。従って、マクロファージや好中球でのSOCS1欠損は、炎症性発がんの促進よりも、むしろ抗腫瘍免疫応答の増強につながることが明らかとなった。 (2)一方、TRAF6の負の制御因子であるFLN29の欠損マウスを作製し、骨髄細胞より分化誘導した樹状細胞(BMDC)のリポ多糖LPSの応答性を解析したところ、TNF、IL-6などの炎症性サイトカインの産生亢進とLPSショック感受性の亢進が認められた。さらに、FLN29欠損線維芽細胞では、RNAウイルス(VSV)感染や二本鎖RNA(polyI:C)刺激によるI型IFNの産生が亢進し、VSV感染に対する抵抗性の増強を認めた。しかし、FLN29欠損マウスにB16メラノーマ細胞を移植したところ、腫瘍体積や生存率に有意な差は認められなかった。
|