研究課題/領域番号 |
20012051
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
義江 修 近畿大学, 医学部, 教授 (10166910)
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研究分担者 |
中山 隆志 近畿大学, 医学部, 講師 (60319663)
白川 愛子 近畿大学, 医学部, 助教 (30260285)
稗島 州雄 近畿大学, 医学部, 准教授 (10322570)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2009年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2008年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | ATL / CTCL / Fra-2 / JunD / CCR4 / c-Myb / MDM2 / Bc1-6 |
研究概要 |
CCR4はTh2細胞、制御性T細胞、皮膚指向性T細胞などに選択的に発現するケモカイン受容体である。我々は成人T細胞白血病(ATL)でのCCR4の高頻度発現を初めて報告した(Yoshie et al., Blood 2002)。そしてATLでのCCR4発現の転写制御機構を調べることにより、ATLではAP-1ファミリーのFra-2が構成的に異常発現しており、Fra-2はJunDとヘテロダイマーを形成することにより、ATLでのCCR4の発現を誘導し、さらにc-Myb、MDM2、Bcl-6などの原がん遺伝子の発現も誘導していることを明らかにした(Nakayama et al., Oncogene 2008)。ATLでFra-2やこれらの原がん遺伝子の構成的発現が示されたのは初めてである。そこで本年度は、Fra-2/JunDによるc-Mybの発現誘導を転写レベルで証明した。また皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は菌状息肉腫やCD30陽性未分化大細胞型リンパ腫などの多様な成熟型T細胞リンパ腫よりなるが、ATLと同様にCCR4を高頻度で発現する。そこでCTCLでのFra-2の発現と役割を検討した。そ.の結果、CTCLでもCCR4の発現とともにFra-2とJunDの構成的な発現が確認され、ATLと同様にFra-2とJunDはCTCLの増殖に関与すること、さらにFra-2とJunDはCCR4の発現だけでなく、c-Myb、MDM2、Bcl-6の発現も誘導していることを明らかにした。これらの結果は、Fra-2の構成的発現と発がんにおける役割はATLに限られるものではなく、CTCLも含めてCCR4を発現する成熟型T細胞由来の白血病/リンパ腫に普遍的に当てはまるものであることを示す。そしてFra-2で発現が誘導されるCCR4はこれらの悪性腫瘍の有用な腫瘍マーカーであるとともに有望な治療標的でもあると言える。
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