研究課題/領域番号 |
20013040
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡田 保典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)
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研究分担者 |
佐々木 文 , 医学部, 助教 (60343381)
下田 将之 , 医学部, 助教 (70383734)
望月 早月 , 医学部, 助教 (80365428)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 14,300千円)
2009年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2008年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | ADAM / von Willebrand factor / 増殖 / 転移 / アポトーシス / 分解 / 酵素 / フォンビルブラント因子 / 腎癌 |
研究概要 |
活性型ADAM28とvon Willebrand factor(VWF)をインキュベートすると、ADAM28はグアニジン塩酸の存在に関係なくVWFマルチマーを低分子化し、ADAM28はVWFのD3-A1ドメインのGly^<1242>-Leu^<1243>ボンド間とA1-A2ドメインのLeu^<1482>-Leu^<1483>ボンド間の2か所で切断することが明らかとなった。ADAM28高発現癌細胞株(PC-9、MDA-MB231、Caki-2)と非発現癌細胞株(MCF-7、HepG2)を培養下でVWF処理したところ、ADAM28非発現癌細胞株でアポトーシスが誘導されたが、高発現癌細胞株ではアポトーシスは観察されなかった。一方、ADAM28高発現PC-9細胞株においては、ADAM阻害剤、ADAM28の中和抗体、ADAM28 siRNA処理すると、VWFによるアポトーシスが出現し、アポトーシス活性はVWFの分解と逆相関していた。VWFは癌細胞膜上にあるインテグリンαvβ3に結合し、p53のリン酸化やcaspase-3の活性化を介してアポトーシスを誘導することが明らかとなり、ADAM28高発現癌細胞ではADAM28によるVWF分解によりVWFの細胞結合阻害の結果、アポトーシスが回避されることが示された。ADAM28高発現安定細胞株をマウス尾静脈内注入し、バイオイメージング法で観察したところ、ADAM28のsiRNA/atelocollagenを投与したり、shRNAによりADAM28の遺伝子発現を抑制した場合には肺転移が有意に抑制された。また、ADAM28遺伝子発現抑制群では、アポトーシス細胞が多い傾向を認めた。これらのデータより、ADAM28はVWFの分解によりVWF誘導性癌細胞アポトーシスを回避させ、癌細胞の血管内での生存延長、癌細胞転移促進に働いていることが示唆された。
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