研究課題/領域番号 |
20013041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
丸 義朗 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00251447)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 13,600千円)
2009年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2008年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | 微小管 / 細胞運動 / 細胞骨格 / カタニン / 癌抑制遺伝子 / 転移 / ケモカン / 増殖因子 / TLR4 / ケモカイン |
研究概要 |
研究課題が3つの運動制御系であったが、この2年間での実績は2つの柱からなる。(1) 細胞骨格を担う微小管の制御因子LZTS2の機能を明らかにした。(2) 癌細胞の生体内の運動は癌浸潤や転移に大きく関与するため、マウス個体を利用した転移系を用いて転移の制御機構の一端を明らかにした。 (1) LZTS2は癌抑制遺伝子候補として同定されたがその機能は不明であった。我々は、本分子が微小管の切断分子であるKataninの主としてp80サブユニットに結合し、p60サブユニットの切断活性を抑制するとこを分子および細胞レベルで証明した。LZTS2の発現、活性、細胞内局在によって、微小管切断が亢進すると細胞は運動能を亢進させる。一方、切断が抑制されるとG2/M期で細胞周期は停止し増殖は抑制される。この現象がゲノムの不安定による突然変異の獲得やタキサンなどの抗がん剤の有効性にも関与することを示した。 (2) 癌の転移を促進する物質としてケモカインS100A8/S100A9およびSAA3を同定した。両者ともにTLR4の内因性アゴニストであることも示した。TLR4は本来外来性エンドトキシンのセンサーとしての免疫学的に重要な生体防御的役割を担っている。これらのケモカインの発現はVEGFやTNFなど複数の増殖因子によって制御される。原発巣から分泌されるこれらの物質が内分泌的に遠隔臓器に作用し、あたかもエンドトキシンを産生する感染巣が遠隔臓器に存在するように生体に感知させ、それに向かって骨髄からTLR4発現単核球性貪食細胞が移動すること、同様にTLR4発現癌細胞も移動すること、などを証明した。
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