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核内ユビキチンリガーゼPDLIM2によるがん細胞増殖制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20013049
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

田中 貴志  独立行政法人理化学研究所, 炎症制御研究ユニット, ユニットリーダー (00415225)

研究期間 (年度) 2008 – 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2009年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードがん細胞増殖抑制 / PDLIM2 / ユビキチンリガーゼ
研究概要

PDLIM2(PDZ and LIM domain protein-2)は申請者らが単離した核内ユビキチンリガ-ゼであり、LIM蛋白ファミリーに属する。PDLIM2を癌細胞に強制発現させると、そのトランスフォーム能が抑制されるということが報告されており、PDLIM2が抗腫瘍活性を有することが明らかになっている。これまでに、PDLIM2が、がんの進行に深く関与する転写因子NF-_κBに結合し、これをユビキチン化・分解・不活性化することが明らかになっている。本年度は、PDLIM2の抗腫瘍活性の分子メカニズムをさらに詳細に明らかにすることを試みた。この過程で、PDLIM2が、NF-_κBだけでなく、転写因子STAT3に対しても核内ユビキチンリガーゼとしてはたらいていることを見いだした。STAT3は、乳がん.大腸がん・白血病などの悪性腫瘍において恒常的に高発現していることが報告されており、その異常な活性化が発がんおよびがんの進行に関与していることが強く示唆されている。PDLIM2は、STAT3に結合してSTAT3のユビキチン化およびプロテアソーム依存性の分解を促進することによりSTAT3を不活性化することが明らかになった。またPDLIM2欠損細胞においては、STAT3のタンパク量および転写活性が亢進していた。このことから、PDLIM2はSTAT3の活性を負に調節することにより発がんおよびがんの進行に抑制的にはたらくことが示唆された。また、PDLIM2が、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)の発がんに重要であるTax蛋白をユビキチン化・分解・不活性化することにより、HTLV-1による腫瘍化を抑制していることも明らかになった。以上より、将来的には、PDLIM2の活性を人為的に調節することが、悪性腫瘍の新たな治療法になる可能性が示唆された。

報告書

(2件)
  • 2009 実績報告書
  • 2008 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)

  • [雑誌論文] Ablation of C/EBPβ alleviates ER stress and pancreatic β cell failure through the GRP78 chaperone in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Tomokazu Matsuda
    • 雑誌名

      J.Clin.Invest 120

      ページ: 115-126

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] PDLIM2 suppresses HTLV-I Tax-mediated tumorgenesis by targeting Tax into the nuclear matrix for proteasomal degradation2009

    • 著者名/発表者名
      Pengrong Yan
    • 雑誌名

      Blood 113

      ページ: 4370-4380

    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] PDLIM2 suppresses HTLV-I Tax-mediated tumorgenesis by targeting Tax into the nuclear matrix for proteasomal degradation.2009

    • 著者名/発表者名
      Pengrong Yan
    • 雑誌名

      Blood (in press)

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Turning NF-κB and IRFs on and off in DCs.2008

    • 著者名/発表者名
      Tsuneyasu Kaisho
    • 雑誌名

      Trends in Immunology 29

      ページ: 329-336

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] PDLIM2はTh17細胞分化を負に制御する2009

    • 著者名/発表者名
      田中貴志
    • 学会等名
      第39回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      大阪国際会議場(大阪)
    • 年月日
      2009-12-02
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] PDLIM2, a nuclear ubiquitin E3 ligase negatively regulates inflammatory responses2009

    • 著者名/発表者名
      田中貴志
    • 学会等名
      The 2009 Fall Conference of The Korean Association of Immunologists
    • 発表場所
      Seoul, Republic of Korea
    • 年月日
      2009-09-09
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [学会発表] PDLIM2 欠損マウスにおける皮膚創傷治癒反応の亢進2008

    • 著者名/発表者名
      田中貴志
    • 学会等名
      第38回日本免疫学会総会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-12-02
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [学会発表] PDLIM2 and HSP70 cooperatively terminate Toll-like receptor-mediated NF-κB activation.2008

    • 著者名/発表者名
      Takashi Tanaka
    • 学会等名
      The 10^<th> International Symposium on Dendritic cells
    • 発表場所
      Kobe, JAPAN
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
  • [産業財産権] 創傷治癒剤及びそのスクリーニング方法2009

    • 発明者名
      田中貴志, 改正恒康
    • 権利者名
      独立行政法人理化学研究所
    • 産業財産権番号
      2009-254379
    • 出願年月日
      2009-11-05
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
  • [産業財産権] 創傷治癒剤及びそのスクリーニング方法2009

    • 発明者名
      田中貴志, 改正恒康
    • 権利者名
      独立行政法人理化学研究所
    • 出願年月日
      2009-11-05
    • 関連する報告書
      2009 実績報告書
    • 外国

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公開日: 2008-04-01   更新日: 2018-03-28  

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