研究課題/領域番号 |
20014027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
池中 一裕 生理学研究所, 分子生理研究系, 教授 (00144527)
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研究分担者 |
吉村 武 生理学研究所, 分子生理研究系, 特任助教 (60402567)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2009年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2008年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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キーワード | シアル酸化糖鎖 / ピリジルアミノ化 / HPLC |
研究概要 |
今年度は血清糖蛋白質糖鎖の解析により、肝癌マーカーの探索を行った。肝臓は、血中のほとんどすべての糖蛋白質を合成し分泌しているので、体内で炎症が起きたり、肝臓そのものに障害をきたしたりすると、血清中の糖蛋白質の発現に変動が見られることが知られている。これまで臨床で使用されている肝臓癌マーカーには、α-fetoprotein (AFP)やprotein induced vitamin K II (PIVKAII)があるが、肝臓癌そのものでマーカーが上昇するだけではなく、炎症反応などでも上昇が見られる。また早期の肝臓癌では上昇しないことが多く、これらのマーカーは、肝臓癌を検出するための精度や特異性の面において充分なものではなかった。本研究は、肝臓癌の診断方法、特に、肝硬変と肝臓癌の分別診断のためのバイオマーカーの提供、及び該マーカーを用いた肝臓癌の診断方法等の提供を目的とした。 被験者血清をアセトン沈殿した後、ヒドラジン分解による糖鎖遊離、ピリジルアミノ化による蛍光標識の後順相HPLCにより各糖鎖の分離・定量を行った。 中性糖鎖型であるM5、A2GOB、A2G1(6)FB、A2G2Bの被検者血清中量を指標とすれば、TNM分類でStage Iと診断される早期の肝臓癌患者の検出が可能であり、肝硬変と肝臓癌を区別診断することができることを見出した。またこれらの肝臓癌マーカーによれば、既存の肝臓癌マーカーであるAFPやPIVKAIIでは検出できない早期の肝臓癌を検出できることが明らかとなった。
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