研究課題/領域番号 |
20015015
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角田 茂 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80345032)
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研究分担者 |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
西城 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60396877)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,300千円 (直接経費: 8,300千円)
2009年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2008年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | サイトカイン / C型レクチン / 腫瘍免疫 / T細胞 / 樹状細胞 |
研究概要 |
がん細胞に対する宿主側の免疫応答を利用した癌治療は、長年その実現が求められてきたにも拘わらず、多くの課題が残されている分野の1つである。申請者らはこれまでIL-1/IL-17などの炎症性サイトカインやDectin-1、DCIRなどのC型レクチンの遺伝子欠損(KO)マウスを作製するなどして、免疫系に於けるこれらの遺伝子の役割を解析してきた。この中で、Th17が新しいT細胞サブセットとして炎症や自己免疫の発症に重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。また、Dectin-1シグナルは選択的にTh17分化を促進させることが報告され、Dectin-1のシグナルとIL.17産生の関連が示唆されている。さらにDCIRを欠損させると樹状細胞(DC)が過剰増殖し、自己免疫を発症することを示した。そこで本研究では、これまでのサイトカインおよびC型レクチン研究を発展させることを目指した。腫瘍形成における炎症性サイトカインの役割を明らかにするためにKOマウスを大腸がんモデルマウスと交配させたところ、IL-17欠損により腸管ポリープの形成抑制が認められた。一方、IL-1欠損、IFN-γ欠損マウスではポリープ形成に有意な変化は認められなかった。このことから、大腸がん発症においてはIL-17ががん促進に対して極めて重要な役割を担っていることがわかった。一方、DCIR KOマウスでは一部腫瘍細胞株において移植時の成長遅延が認められ、DCIRのシグナルの欠損により腫瘍免疫能が亢進した。これらのことから、IL-17およびDCIRは、がん治療における新たな分子標的となる可能性が示された。
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