研究課題/領域番号 |
20015026
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 京都大学 (2009) 大阪大学 (2008) |
研究代表者 |
平田 多佳子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (00346199)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2009年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2008年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | T細胞 / 接着分子 / セレクチン / シアロムチン / PSGL-1 / CD43 / フコース転移酵素 / 抗腫瘍免疫 |
研究概要 |
がんの免疫療法においては、エフェクター細胞を腫瘍組織に効率的に移行させることに加えて、制御性T細胞を腫瘍組織から排除することが重要であると考えられる。制御性T細胞は腫瘍血管から腫瘍内に移行すると考えられるが、多くの腫瘍血管ではE-セレクチンの発現が認められ、ヒト末梢血中の制御性T細胞の多くはE-セレクチン結合活性を有する。したがって、制御性T細胞は腫瘍血管に発現するE-セレクチンと特異的に相互作用する結果、選択的に腫瘍内に浸潤する可能性が示唆される。昨年度、本研究課題において、制御性T細胞に発現するPSGL-1およびCD43がE-セレクチンリガンドコア分子として機能することを見いだした。そこで、制御性T細胞において、これらの分子の糖鎖修飾を媒介する酵素群の発現動態を検討したところ、α-1,3-フコース転移酵素FucT-VII(Fut7)の発現が著明に亢進することを見いだした。また、FucT-IV(Fut4)およびコア2N-アセチルグルコサミン転移酵素Gcnt1および硫酸転移酵素Chst2の発現の上昇も見られた。したがって、これらの酵素が制御性T細胞のE-セレクチンリガンドを介する腫瘍への浸潤に関与することが示唆された。実際、FucT-IVおよびFucT-VIIを欠損するマウスの制御性T細胞では、E-セレクチン結合活性が完全に消失し、マウスの腫瘍モデルにおける浸潤が低下することから、これらの分子を標的として、制御性T細胞の腫瘍浸潤を制御できる可能性が示された。
|