研究課題
特定領域研究
最近、研究代表者らは、細胞内侵入性ペプチド(CPP)融合型RNA結合蛋白質(RBP)と、そのRBPの認識RNA配列につながったsiRNAを組み合わせて細胞内に導入する方法を開発した。昨年度からの本助成研究において手法の確立が進んだが、本年度はがん治療への応用を目指して、CPP-RBPによるRNA導入法に関して以下の検討を行った。1) CPP-RBPでsiRNAを細胞内導入することにより、ヒトの大腸癌細胞由来株であるSW480株の増殖抑制が可能かどうかを検討した。大腸癌細胞由来株で特異的に発現しているK-Ras変異体遺伝子のRNAi法による発現抑制により、その増殖抑制を試みたが現状では顕著な増殖抑制効果は見られていない。今後のCPP-RBPの改良により明確な効果が現れることを期待している。2) 腸内の癌の治療を目指し、乳酸菌にCPP-RBP/shRNAを合成させて腸内送達する方法の開発を目指す。現状ではshRNAのみを産生する乳酸菌株を作製し、マウスにおいてこの乳酸菌を投与することで特異的なRNAi効果が起こることを見いだした。今後CPP-RBPとshRNAの共発現系を内包する乳酸菌を作ることにより、このRNAi効果がより顕著になることを期待している。3) 癌細胞で過剰発現がみられる膜蛋白質を標的とした抗体あるいはペプチドを、CPP-RBPに融合させることにより、CPP-RBP/shRNA複合体が癌細胞にのみ結合しやすくなり、それに伴いshRNAの細胞内導入効率RNAi効果が高まらないかと考えた。本年度はその例として卵巣癌や乳癌などで過剰発現がみられるErbB2に結合する蛋白質をCPP-RBPに融合させたものを作製した。現在、これにより通常のCPP-RBPと比べて癌細胞の増殖抑制効果が高まるかどうかを調べている。
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