研究課題/領域番号 |
20015039
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
奥 直人 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10167322)
|
研究分担者 |
浅井 知浩 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (00381731)
清水 広介 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (30423841)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
2009年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2008年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
|
キーワード | 新生血管 / DDS / リポソーム / 標的化 / ターゲティング / 複標的化 / がん治療 / 血管新生 |
研究概要 |
我々は、新規がん治療法として、これまでに腫瘍新生血管を標的として抗がん剤を送達する腫瘍新生血管傷害療法を確立してきた。本研究では、これまで単独でリポソーム表面に修飾してきた標的化ペプチドを組み合わせて修飾する"複標的化"という新規標的化戦略を提唱し、その有用性を検証した。昨年度は腫瘍新生血管内皮細胞のモデルとしてヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)を用い、複標的化リポソームの細胞への親和性を検討した。その結果、APRPGおよびGNGRGを修飾した複標的化リポソームは、APRPGあるいはGNGRGの一方のみを修飾した単標的化リポソームと比較し、有意に高い親和性を示した。DOX内封複標的化リポソームの担がんマウスに対する治療効果について検討を行ったところ、DOX内封複標的化リポソームは最も優れた腫瘍増殖抑制効果および延命効果を示した。本年度は標的自身も腫瘍新生血管と腫瘍細胞を標的とするべく、APRPGおよびGRGDSを修飾した複標的化リポソームを用い、結合についてはBiacoreを用いたSPR解析を行い、複標的化の有用性を半定量的に示すことに成功した。またGRGDSを修飾した場合には、腫瘍新生血管に加え腫瘍にも親和性を示すことが蛍光標識リポソームを用いた共焦点レーザー顕微鏡解析から明らかとなった。さらに本複標的化リポソームにおいても、抗がん剤を内封吸うことにより、単標的化リポソームよりも有効であることが示された。以上の結果から、複標的化リポソームの腫瘍新生血管傷害療法における有用性が示された。"複標的化"戦略は、アクティブターゲティングDDSの新戦略として応用と展開が期待される。
|