研究課題/領域番号 |
20016009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平田 普三 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60402450)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2009年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2008年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 変異体 |
研究概要 |
泳動の遅い変異体mi372を解析し、ショウジョウバエのflightless遺伝子のホモログであるflii遺伝子の変異であることを明らかにした。変異体ではfliiのスプライシングアクセプタ一部位に変異があり、cDNA上で1塩基の欠失が起こることからフレームシフトが起こり、途中で終止コドンが生じることにより、正常なFliiタンパクが合成できないことが分かった。電気生理学的解析で神経系からの出力を解析することで、筋に異常のあることが分かった。骨格筋には瞬発力に優れるが持久性が低い速筋と、瞬発力はないが持久力に優れる遅筋の2種類が存在し、それぞれ短距離選手、マラソン選手で発達していることが知られているが、変異体の筋異常は速筋だけで見られ、遅筋は正常であることが分かった。実際、変異体を抗Flii抗体で免疫染色すると、不思議なことにFliiタンパクは遅筋で検出され、実際に遅筋の筋収縮も正常だった。変異体は速筋に異常があるが、遅筋は正常であり、変異体の泳動が遅いのは泳動時に遅筋だけを用いて泳いでいるという仮説を立てた。実際に速筋だけを機能阻害したり、遅筋だけを機能阻害したりして運動を観察する実験から、この仮説が正しいと結論づけられた。これは運動の発達期における速筋と遅筋の使い分けを提唱するはじめての研究となった。flii遺伝子の変異がヒトの筋疾患に関係するという報告はないが、ヒトの先天性筋疾患でflii遺伝子の異常によるものがないかを共同研究で調べている。
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