研究課題/領域番号 |
20016018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
作村 諭一 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (50324968)
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研究分担者 |
中村 岳史 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (60362604)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
2009年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2008年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | システム生物学 / 分子生物学 / 形態形成 / 統計解析 / シグナル伝達 |
研究概要 |
本研究課題では、生化学反応系を超えて、細胞走性や細胞形状変化といった動的空間との相互作用に着目し、生命システムを時空間的に理解することを目的とする。PC12細胞の形状変化と細胞内分子活性度の関係を定量化するため、局所時間・局所空間の定量化を行った。形状変化の分布を調のべると、伸張と縮退の両方に裾のある形となるため、標準偏差を基準に、形状エッジの運動について特徴ごとにクラス分けした。そして、各クラス(伸張、縮退、待機)における分子活性の時系列の平均を算出した(特徴エッジ変動イベントに基づくサンプリング(逆相関解析))。その結果、それぞれのGタンパク質について、特徴的な時系列が得られた。その結果、(1) 伸張とRhoAの活性上昇はほぼ同時である、(2) 伸張状態を維持するためには、RhoA活性の後にRaclまたはCdc42の活性が必要である、ということが言える。また、これらの時系列の特徴は、時間平均からの変動として定量したものであり、分子活性の絶対的な値より時間的な相対量にエッジ変動のための情報が乗っていることを意味する。空間平均からの差ではこのような明確な特徴を捉えることができなかった。縮退については、RhoA活性とRacl活性も落ちていることが分かった。以上の結果は、先行研究(Machacek et al., Nature, 2009)を支持するだけでなく、伸張・縮退の関係についてより詳細に情報が得られており、細胞内分子シグナルが行う形状制御のメカニズムが期待できるものである。現在、データ解析を精密化し、論文作成を行っている。
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