研究課題/領域番号 |
20016020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大川 恭行 九州大学, 医学研究院, 特別准教授 (80448430)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
2009年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2008年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 筋分化 / 3C / Brg1 / ジーンクラスタリング / クロマチン構造 / エピジェネティクス / ゲノム / ナノバイオ / 発生分化 |
研究概要 |
本研究プロジェクトでは筋分化において、これらの各イベントが複数のグループ遺伝子ごとにまとまって同調的に制御されていることを見出してきた。これらの骨格筋特異的な遺伝子はゲノム上にランダムに位置していた。このことは、これらの遺伝子群を時期特異的に一括して発現調節する高次のクロマチン構造制御システムが細胞内に存在する事を示唆する。我々はギガシークエンサーを応用した新たなアプローチを樹立し、バイアスなしにゲノムワイドなジーンクラスタリング現象の把握が可能となった。まず、両端がユニークにマウスゲノム上にマッピングされたものを解析対象としたところ、全読み取りタグ1500万に対し、700-800万のタグが該当した。これを遺伝子座近接情報として、解析を進めることとした。骨格筋分化サンプルとして、C2C12細胞を分化刺激し経時的に回収したものと、コントロールとしてNIH3T3を非筋肉細胞として用いた。その結果、骨格筋分化段階特異的な遺伝子座近接部位がゲノム上に存在すること、その多くが遺伝子のプロモーターもしくは他の制御領域に位置していることが明らかとなった。また、逆に細胞を問わず、常に他の遺伝子と近接している領域が存在しておりこれら領域がさまざまな遺伝子群の発現制御に関わっていることが示唆された。また興味深いことに現在アノテーション情報が付与されていない一方で、他の動物種であるヒト、ラットで保存性が高い領域が多く同定された。また、可視化による検討としてDNA-FISH により遺伝子座近接の検証を行った。予備実験の結果近接が3Cによって確認された筋クレアチンキナーゼ遺伝子座と筋アクチン1の遺伝子座の近接について評価した。その結果、骨格筋細胞のみ、両遺伝子座の近接が2-4%の割合で確認できたのに対し、非筋系ではゼロであった。次にこの形成にかかわる因子を探索したところ、Brg1クロマチンリモデリング因子の活性化を抑止した細胞では遺伝子近接現象が消失し、且つ骨格筋分化も抑制された。以上のことから、遺伝子座近接現象がクロマチン構造変換と密接に関わりながら骨格筋分化を制御していることが示唆された。
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