研究課題/領域番号 |
20016023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
加藤 潤一 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10194820)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2009年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2008年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 大腸菌 / 最小必須遺伝子群 / 必須遺伝子 / 染色体 / 欠失変異 / ゲノム / 分子生物学 |
研究概要 |
(1) 染色体大規模欠失株の作製 大腸菌染色体大規模欠失株の作製を進めるのに、これまでの欠失変異作製システムがうまく機能しなかったため、新しいシステムを構築し、残っていたプロファージ領域を欠失させた菌株の作製に成功した。 (2) 機能未知必須遺伝子yqgFの解析 大腸菌の機能未知必須遺伝子の一つであるyqgFが遺伝子は、RuvCやRNaseHと立体構造において相同なタンパク質をコードしている。RuvCの活性中心に対応するアミノ酸残基およびRuvCとは異なるドメイン内のアミノ酸残基について突然変異株を作製することにより、どちらもが機能に必須であることがわかった。 yqgF遺伝子の高温感受性変異株にrhoまたはnusA遺伝子をクローニングした多コピープラスミドを導入すると、生育がさらに惡くなることから転写終結に関与することが示唆され、qRT-PCRにより種々の遺伝子の発現について調べた結果、遺伝子内または上流にRho依存性転写終結配列が存在するlac, tna, rho遺伝子の発現が変異株では低下することがわかった。Rhoタンパク質の阻害剤であるBicyclomycinを作用させると発現が回復することから、変異株ではRho依存性の転写終結が過剰に起こっていることがわかった。これらの結果よりYqgFタンパク質は遺伝子内または上流に存在するRho依存性転写終結配列を乗り越えて転写を起こさせるのに働いていることが明らかになった。 またin vitro転写系を用いて調べたところ、精製したYqgFタンパク質により転写が促進されることがわかったので、YqgFタンパク質はRhoタンパク質を直接抑制しているのではなく転写自体に関与していることがわかった。
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