研究課題/領域番号 |
20019010
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柳川 右千夫 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90202366)
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研究分担者 |
柿崎 利和 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50375531)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2009年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2008年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 抑制性ニューロン / トランスジェニックマウス / 蛍光蛋白質 / 系統 / 発現 / ノックインマウス |
研究概要 |
脳は、興奮性と抑制性のニューロンで構成される神経ネットワークの集まりからできている。しかしながら、興奮性ニューロンと抑制性ニューロンの両者ともin vitroおよびin vivoで正確に同定することは一般に困難である。抑制性ニューロンを黄色蛍光蛋白質、Venusで標識したトランスジェニックマウス(VGAT-Venusマウス)4系統を樹立、繁殖させた。各系統の脳について、Western法、in situ hybridization法で解析した結果、系統39でVenusの発現が最も強く、その発現分布もVGATの分布と類似していた。そこで、系統39の組織学的解析をさらに進め、VGAT-Venusマウスの有用性について検討した。抗GFP抗体と抗GABA抗体を用いた2重免疫染色法で、大脳皮質、海馬(CAl領域と歯状回)、小脳皮質の各領域について、Venus分子がGABAニューロン特異的に局在するかどうか検討した。海馬歯状回では共局在する細胞が75%程度であったが、海馬CAl領域(97%)、大脳皮質(96%)、小脳皮質(99%)では高率で発現の一致を観察した。従って、VGAT-Venusマウス系統39は、上記領域におけるGABAニューロンの機能や形態を研究する上で有用な研究資材と期待される。VGATは、GABAニューロンとグリシンニューロンの両方に発現し、背側蝸牛神経核では両方のニューロンが含まれている。そこで、系統39の背側蝸牛神経核で、抗GFP抗体と抗GABA抗体あるいは抗グリシン抗体を用いた2重免疫染色法でVenusとGABAあるいはグリシンの共局在を調べた。Venus陽性細胞の中で、グリシン陽性が85%、GABA陽性が9%であった。一方、グリシン陽性細胞とGABA陽性細胞はいずれもVenusが発現していた。従って、背側蝸牛神経核抑制性ニューロンの研究にもVGAT-Venusマウス系統39は有用であると結論した。
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