研究課題/領域番号 |
20019028
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
鮫島 和行 玉川大学, 脳科学研究所, 准教授 (30395131)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 報酬価値 / 認知機能 / 線条体 |
研究概要 |
本研究では、大脳基底核線条体における認知的な機能を調べるために、意思決定の認知的側面と運動的側面の両方を伴う課題を開発し、大脳基底核線条体から単一細胞記録をおこなった。意思決定の瞬間を明示的にするために、試行毎に与えられる視覚刺激情報に基づいて認知的に意思決定を行い、ついで運動を行うことを決定する認知-運動意思決定課題をマカクサルに訓練した。この課題では、サルは2つの図形(Cue刺激)から1つを選択する。Cue刺激提示後遅延期間の後に、提示された2つの図形のうち一方が提示される(target刺激)。この時点でボタンから手を離すとその図形に対応した量の報酬が与えられる。もし押し続ければもう一方の図形が提示され、この時点で手を離すと2つ目の図形に対応した量の報酬が与えられる。選択した図形と4段階の報酬量の関係はブロックごとにランダムに切り替えられ、動物は試行錯誤を通じてその関係を学習する。実際、サルは図形と報酬量の関係を学習し、報酬を最大化する意思決定が適切におこなえた。この課題中の線条体神経活動を記録したところ、課題開始時、Cue提示期、Target提示前後、報酬予告刺激提示期、報酬期のそれぞれで神経活動が記録された。本年度はこれらの神経細胞活動の解析を進め、Cue提示期から遅延期間にかけての認知的意思決定が行われる期間の細胞活動が、課題関連活動のなかで主要な割合を占めること、そしてそれらの活動のうち約半数が提示されたCue刺激の色のみ、形のみによって活動を変化させること、さらには後に選択される図形の色や形、すなわち意思を決定した後の行動準備活動が自ら選択した場合にのみ見られること、などを明らかにした。これらの大脳基底核における神経コードは、運動を決定する場合のみならず認知的意思決定に大脳基底核が関わることを示唆する。
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