研究課題/領域番号 |
20020003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
虫明 元 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80219849)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2009年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2008年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 前頭前野 / サル / アトラクター / ゴール指向的行動 / 細胞活動 / 同期 |
研究概要 |
ゴール指向的な行動では、ゴールに到達するために複数の行動を順序だてて適切な行動選択をする。そのために、最初に与えられた最終ゴールの情報から、一連の行動をプランニングし、最初に行う即時ゴールを決定し実行を始める。これらの細胞活動の神経機構を説明するために、多安定アトラクター回路を用いた神経モデルを構築し、その動作を確認した。4種類の細胞からなる回路は、相互に興奮性抑制性の結合をしており、複数の安定状態が存在する。またこれらとは別に入力または出力に関連する細胞群がある。 二つの最終ゴールから二つの即時ゴールの変換する過程を、多安定性の様相の違いとして捉える。動作としては、最終ゴールの情報の入力がある時期には、多安定アトラクターは最終ゴールの選択をする回路の状態になっており、入力があると、最終ゴールを表現するどちらかの状態に引き込まれる。また時間とともに活動が減衰してくると、今度は即時ゴールの選択を行う回路の状態に変化し、神経回路はどちらかの即時ゴールの表現に引き込まれる。このような多安定アトラクターモデルは、その安定性をきめるアトラクター状態そのものを変化させることで、情報表現の変換を自発的に非常に融通性をもって表現できる。このような情報変換の機構は、単純な刺激-反応連合では困難な多次元の情報の時間的な動的変換に適切であり、前頭前野の機能を理解するうえで大切な役割を果たしていると考えられる。
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