研究課題/領域番号 |
20020015
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
船橋 新太郎 京都大学, こころの未来研究センター, 教授 (00145830)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2009年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2008年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | メタ記憶 / 前頭連合野 / ワーキングメモリ / モニタリング / 遅延反応課題 / メタ認知 / 記憶 / サル / 記憶想起 / 記憶誘導性眼球運動 |
研究概要 |
眼球運動を利用した遅延反応課題をもとに作成したメタ記憶課題を使用した。この課題では、CRT画面上に設定された8ヶ所のいずれか1ヶ所に呈示される手がかり刺激の位置を数秒間記憶し、反応期にその方向へ眼球運動を行えば報酬が得られる。ただし、遅延期間終了後、反応期に移行する直前に、記憶テストを受けるか回避するかを動物が選択する条件、強制的に記憶テストを受ける条件、強制的に記憶テストを回避する条件のうち、いずれか1条件がランダムに挿入される。課題の難度は、遅延期間に呈示される妨害刺激の数によって操作し、報酬条件はテストを受けた試行とテストを回避した試行の強化率を変えることで操作した。 メタ記憶能力の指標となる上記の条件と合致する行動を示した1頭のサルを用い、前頭連合野主溝周辺領域から単一ニューロン活動記録を行った。強制テストに正解した試行の活動を用いて各ニューロンの応答特性を解析したところ、手がかり刺激呈示期や遅延期に方向選択性を示すニューロンが複数存在した。空間情報の記憶に関わるこれらのニューロンについて、サルが自らテストを受けた試行とテストを回避した試行での活動を解析した結果、手がかり刺激呈示期には試行タイプの違いによる活動への影響はほとんど観察されなかった。しかし遅延期には、サルがテストを回避した試行で、強制テスト実行時に観察された方向選択性が消失する傾向が観察された。この結果は、遅延期間活動の方向選択性の強度変化が動物の行動選択の指標になっていることを示唆し、この変化をモニターする仕組みがメタ記憶の神経機構の解明の鍵になることが明らかになった。
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