研究課題/領域番号 |
20020016
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 宏道 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50154092)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2009年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2008年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 外側膝状体 / 一次視覚野 / 受容野周囲抑制 / フィードフォワード入力 / GABA抑制 / 方位選択性 / 図地分化 / トップダウン入力 / 刺激文脈依存的反応修飾 / 受容野 / ネコ |
研究概要 |
本研究は、初期視覚系ニューロンの視覚応答特性が、受容野周囲の刺激布置に依存して合目的的な修飾効果を受ける現象(文脈依存的反応修飾あるいは受容野周囲抑制)について、正弦波状に輝度変化するグレーティング刺激のパラメータを定量的に操作しながらニューロン応答を観察することにより、初期視覚系のダイナミックな機能構築の実態及びそのメカニズムを解明することを目的とした。方法:麻酔・非動化したネコの一次視覚野(V1)および外側膝状体(LGN)より単一ニューロン活動を記録し、正弦波状に輝度変化するグレーティングの円形パッチを刺激として受容野内外に呈示した。グレーティングパッチのサイズ、コントラスト、グレーティング方位、空間周波数、時間周波数は可変とし、刺激はドリフト呈示または静止呈示した。 結果:修飾効果は抑制性であり、その強さは受容野内外の刺激図形のパラメータの関係に依存し、受容野応答を誘発するのに最適なパラメータ(方位、空間周波数、コントラスト)のグレーティングで受容野内外を同時に刺激したときに最大となり、図地分化のニューロンメカニズムと考えられた。 ・ 受容野周囲抑制は反応を弱めるが、グレーティング方位に対するチューニングはシャープになる。 ・ 受容野周囲抑制は反応の刺激空間周波数チューニングのピークを体空間周波数側にシフトさせる。 すなわち受容野よりも大きな刺激に対しては最適空間周波数が受容野サイズの刺激を用いたときよりも低くなり、物体のイメージ周波数チューニングの元となる性質であると考えられる。 ・ 受容野のすぐ外側(周囲2度以内)と更に広範囲(半径10度以上)を刺激したときの周囲抑制は潜時や刺激特徴にするチューニングが異なり、ボトムアップ的入力チャネル間の相互作用やトップダワン人力がV1内で周囲抑制のメカニズムとなっていることが示唆された。
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