研究課題/領域番号 |
20021018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 亘彦 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (00191429)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2009年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2008年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 大脳 / 視床 / 軸索 / 層構造 / 神経活動 / ネトリン / ニューロン / 分化 / netrin / unc5D |
研究概要 |
視床から大脳への軸索投射の基本構造は遺伝的要因によって形成されるが、後天的な神経活動によって修飾されることが知られている。この層構造依存的・神経活動依存的な分子機構に関して、私たちはこれまでの研究を基に、標的層に発現する軸索誘導分子または視床側に発現する受容体分子が神経活動によって調節される仮説を掲げた。本研究では、神経活動依存的にその発現量が変化する分子の存在を調べ、視床皮質投射の形成機構を明らかにすることを目指した。まず、皮質4層で神経活動に依存して遺伝子発現を変化させる分子を調べるために、視床-皮質共培養切片を通常の培養液中とTTXを含む培養液中で約2週間培養し、それぞれの皮質切片から標的層特異的分子の発現量を定量PCR法により比較した。その結果、netrin-4の発現量がTTX添加培地で著しく減少することがわかった。また、netrir4を視床-大脳皮質共培養標本に加えることにより、視床軸索の枝分かれ形成が倍増することが判明した。また、培養液中にnetrinと結合能のある可溶性タンパクunc5h2-Fcを添加すると、枝分かれ数が顕著に減少したことから、内在的なnetrin分子が枝分かれを促進していることが示唆された。一方、視床軸索側の受容体候補分子として、netrin-4と結合し得るDCC, unc5h2やneogeninの視床核での発現がin situ hybridizationによって確認された。さらに、in vivoでのnetrin-4の作用を調べるために、netrin-4ノックアウト動物を用いて、視床軸索投射を解析し、視床皮質投射が減弱していることを示唆する結果を得ている。以上、netrin-4は層特異的・神経活動依存的に発現し、発生期脳の視床軸索投射に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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