研究課題/領域番号 |
20022003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小椋 利彦 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60273851)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2009年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 脳構築 / 細胞移動 / シグナル伝達 / 遺伝子発現 / 組織力学 |
研究概要 |
中枢神経系は種特異的な神経組織の構築を基礎とするが、神経組織そのものの発生は、昆虫からヒトに至る広範な生物種で保存された普遍的な原理に基づいている。本研究では、ハエから高等動物まで高度に保存された遺伝子の機能を解析し、新たな神経発生制御機構の一端を明らかにすることを目的とした。そのひとつ、DaamはWnt経路で働いて細胞の極性、移動に関与し、Dishevelled、EphBと会合し、Dynamin依存的に細胞表面のEphB分子endocytosisによる除去、引き続き起るされる細胞接着の解除に直接関与していることがわかった。この仕組みは、神経組織の発生にも深く関与しているおり、事実、Daamlによって嗅球に向かう神経細胞の移動を促進したり、抑制したりすることが可能となった。 また、細胞移動時に、クラッチ分子として働くCrip2蛋白の機能解析を行ない、Focal Adhesionとの機能的関係を解明し、細胞移動の力学的な解釈の糸口をつかんだ。 また、神経細胞を含む細胞移動は、細胞の変形を伴うが、この変形、ひずみを力学的に解釈する必要がある。本研究では、細胞に外的力が働き、細胞骨格の変形が起ると細胞骨格から核内にシャトルし、遺伝子発現の調節を行なう因子を複数同定した。また、形態形成時に起こる組織の変形を力学的に解釈する目的で、組織内のstress、strainを定量的に測定する方法を開発し、その一部の実用化にこぎ着けた。また、この方法をさらに発展する目的で、脳にしわができてfoldingは起こる現象を説明するための力学モデルの構築を行なった。
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