研究課題/領域番号 |
20022009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千原 崇裕 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教 (00431891)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2009年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 樹状突起 / 軸索 / ショウジョウバエ / モザイク解析 / 神経極性 |
研究概要 |
神経細胞は、それぞれ軸索、及び樹状突起といった高度に極性化した構造を有している。よって、神経ネットワークの形成機構を理解するためには、軸索、及び樹状突起、双方の形態形成機構を解明する必要がある。 本研究では、これまで解析が困難であった樹状突起の形態形成機構の解明を目的に研究を行う。まず、樹状突起の形態を生体内で1細胞レベルの解像度で可視化・解析するために、ショウジョウバエの嗅覚系2次神経・Projection Neuron(以下PNと省略)をモデル系とし、遺伝学的モザイク法を用いてスクリーニングを行った。昨年度に引き続き平成21年度は、このスクリーニングによって得られた樹状突起投射変異体、特にdogi (doubled glomeruli)変異体の原因遺伝子の機能解析を行った。 dogi変異体の原因遺伝子は、進化的に保存された新規遺伝子(dogi遺伝子)である。Dogi蛋白質による樹状突起・軸索制御の分子機構を解明する目的で、Dogi蛋白質と結合する蛋白質の探索をYeast two hybrid法を用いて行った。その結果、細胞骨格制御因子、エンドサイトーシス制御因子、細胞内輸送蛋白質、転写因子などを含む7つの蛋白質が候補結合因子として回収された。更に、GST-pull down法などを用いて、これらの候補結合因子とDogi蛋白質が物理的に複合体を形成することを確認した。またDogi蛋白質の脳組織内における発現分布を解析する目的で抗Dogiモノクローナル抗体を作成した。この抗体を用いた解析の結果、Dogi蛋白質は発生過程の触角葉シナプス部位に強く局在していることが明らかになった。今後は、Dogi蛋白質と複合体を形成する分子の変異体解析を生体内で行い、神経回路形成過程におけるDogi蛋白質の役割を明らかにしていく予定である。
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