研究課題/領域番号 |
20022012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 貴美子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (50451828)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2009年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | レンチウイルス / 長期記憶 / 概日リズム / SCOP / 海馬 |
研究概要 |
交付申請書に記載の研究実施計画に沿って研究を遂行し、下記の成果を得た。 1. 記憶長期記憶形成とその時刻依存的変化におけるSCOPの機能を個体レベルで具体的に示すため、レンチウイルスを用いて海馬CA1領域特異的なSCOPノックダウンをおこなった。正常マウスにおいて長期記憶効率が良い時刻に、海馬依存的SCOPノックダウンマウスの長期記憶効率は顕著に減少した。SCOPノックダウンマウスの短期記憶形成効率は時刻に関わらず正常に形成される。以上のことから、記憶を長時間保持するための固定化に関わる経路にSCOPが時刻依存的に関与していることが考えられた。 2. 長期記憶の時刻依存性を引き起こす鍵が、SCOPの量によると考え、海馬内のSCOP蛋白質量の時刻変化を検討した。SCOP量は主観的夜に高く主観的昼に低い。特に、K-Rasとの結合がみられる膜ラフト内のSCOP量の経時変化は顕著であり、SCOPがK-Rasを負に制御することによる長期記憶形成の調節がおこなわれると考えられる。 3. 新潟大学脳研究所・崎村健司教授との共同研究で、SCOPのコンディショナルノックアウトマウス(海馬特異的ノックアウト)を作製した。このマウスを用いて、記憶形成機構および概日リズムへの影響を検討中である。 以上のように個体レベルにおいて記憶形成と時刻依存性におけるSCOPの重要性を明らかにした。また、リズムの発振におけるSCOPの役割も明らかになりつつある。本研究課題により概日リズムがSCOPを介して記憶形成効率の概日変動を制御していることを強く示唆することができた。
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