研究課題/領域番号 |
20022018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 裕教 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (50303847)
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研究分担者 |
根岸 学 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60201696)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2009年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2008年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 脳・神経 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 発生・分化 |
研究概要 |
Plexinは神経軸索ガイダンス分子、セマフォリンの受容体であり、Semaphorin 4D(Sema4D)受容体のPlexin-B1がR-Rasに対するGAP活性を有し、その活性が海馬の神経細胞におけるSema4Dによる軸索の成長円錐の崩壌に必須であることを見出した。今年度我々は、Plexin-B1のGAP活性の基質となりうるGタンパク質がR-Ras以外に存在するかどうか検討を行った。その結果、Plexin-B1はR-Rasと同様にM-Rasに対してもGAP活性を示した。そこで脳におけるM-Rasの発現変化を確認したところ、大脳皮質神経細胞においてM-Rasは樹状突起の成長のおこる時期から発現の上昇がみられた。さらにshRNAによって大脳皮質神経細胞におけるM-Rasをノックダウンさせたところ、樹状突起の成長が抑制された。またM-Rasの常時活性型を過剰発現させると樹状突起の成長の促進がみられたことからM-Rasは樹状突起の発達に必要であることが示唆された。大脳皮質神経細胞をSema4D刺激すると内在性のM-Rasの活性が抑制され、それにともなって樹状突起の成長の抑制が観察された。またSema4D刺激による樹状突起成長の抑制作用はM-Rasの常時活性型の過剰発現によりみられなくなった。M-RasをノックダウンさせるとERKの活性が抑制されており、Sema4D刺激によっても抑制された。またSema4Dによる樹状突起成長の抑制はERKの一つ上流にあるMEK1の常時活性型の過剰発現によりみられなくなった。以上のことからSema4Dの受容体であるPlexin-B1はM-RasのGAPとして働き、M-Rasの活性を抑制し、さらに下流に存在するERK経路の活性化を抑制することによって樹状突起の成長を抑制することが明らかになった。
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