研究課題/領域番号 |
20022041
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
榎本 和生 国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 准教授 (80300953)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2009年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 樹状突起 / 受容領域 / リン酸化シグナル / ショウジョウバエ / リモデリング / 感覚ニューロン / タイル化 / 反発運動 / リン酸化酵素 / 細胞内樹法伝達 |
研究概要 |
ショウジョウバエ末梢神経系をモデルとして、同種の樹状突起間に生じる反発シグナルを制御する遺伝子群の探索を行い、TORC2複合体を同定した。TORC2複合体は、TORキナーゼを中心とする5因子(現在同定されている限りにおいて)により構成される複合体であり、アクチン骨格系の制御に関与することが報告されていたが、神経機能は全く不明であった。さらなる遺伝学的解析から、TORC2が感覚ニューロン内において細胞自律的に働くことを示した。続いて、生化学的解析から、TORC2がTrcキナーゼのThr449のリン酸化を促進することにより、突起間に生じる反発シグナルを正に制御することを示した。Trcキナーゼは、樹状突起の反発運動に必須の因子として、我々が以前に同定していたものである(Emoto et al.2004)。 一方、TORキナーゼは、異なる因子群とともにTORC1複合体を形成し、細胞の増殖制御を行うことが知られている。そこで、感覚ニューロンにおけるTORC1の機能を解析したところ、樹状突起の伸長・分岐を正に制御することが分かった。したがって、TORキナーゼは、TORC1とTORC2という異なる複合体の形成を介して、樹状突起の伸長・分岐と反発運動という異なる局面を制御することが示唆された。今後、ニューロン内において、TORC1とTORC2のクロストークがどのように行われているのかを解明する必要がある。
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