研究課題/領域番号 |
20022042
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設) (2009) 東京工業大学 (2008) |
研究代表者 |
椎名 伸之 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (30332175)
|
研究分担者 |
徳永 万喜洋 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (00192659)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
2009年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2008年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
|
キーワード | 神経 / mRNA輸送 / 局所的翻訳 / RNG105 / シナプス / mEPSC / mIPSC / RNG140 / 神経細胞 / Na^+ / K^+ ATPase |
研究概要 |
神経樹状突起へのmRNA輸送と局所的翻訳は、刺激依存的なシナプス修飾ひいては学習などの高次脳機能に必須の役割を担う。我々はこれまでに、RNA結合タンパク質RNG105がNa^+/K^+ATPaseサブユニットアイソフォームなどのmRNAを樹状突起へ輸送するのに必要であること、RNG105ノックアウトマウスではシナプス形成および神経ネットワーク形成が脆弱になること等を明らかにしてきた。 本年度は、RNG105ノックアウトマウスの大脳皮質から神経細胞を培養し、その電気生理学的実験によってシナプス機能の変化について解析をおこなった。その結果、mIPSCは頻度、振幅、波形幅に野生型との差はなかった。mEPSCについても頻度および振幅に差はなかったが、波形幅が野生型よりも有為に狭くなることが明らかになった。RNG105ノックアウト神経では突起部に局在する興奮性シナプスが減少するのに対し、細胞体付近に局在する興奮性シナプスが増加するという分布変化が起きており、これがmEPSCの波形幅の減少の一因と考えられた。また別の原因として、RNG105はAMPA受容体調節因子のmRNAを結合していることがわかり、そのmRNAがノックアウト神経細胞の樹状突起で減少することにより、AMPA受容体の応答性に変化が起きた可能性が考えられた。 本年度はさらに、RNG105のパラログであるRNG140の解析もおこなった。RNG140はRNG105と同様に脳に最も多く発現していたが、RNG105とは異なるRNA granuleに局在した。siRNAによるノックダウン実験では、RNGl05, RNG140 RNAiともに樹状突起の長さと枝分かれを減少させることがわかった。したがって、RNG105とRNG104は異なるmRNA複合体を形成するが、ともに樹状突起の発達・維持に関与すると考えられた。
|