研究課題/領域番号 |
20022047
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
糸原 重美 独立行政法人理化学研究所, 行動遺伝学技術開発チーム, チームリーダー (60252524)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2009年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2008年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 瞬目条件反射学習 / 運動学習 / 可塑性 / 小脳 / プルキンエ細胞 / alpha-chimerin / Connexin 43 / 変異マウス / 樹状突起 |
研究概要 |
alpha-chimerinはEphrinB3/EphA4の必須な下流シグナル伝達因子として働く。alpha-chimerinはGTPase活性化因子であり、多様な機能を持つことが示唆されている。我々は、小脳プルキンエ細胞でalpha-chimerinが高レベルに発現し、樹状突起に分布することを観察した。この分子が小脳プルキンエ細胞における運動学習に関連したシナプス可塑性に関与する可能性を疑い、検討した。その結果、alpha-chimerin欠損変異マウスが瞬目条件反射学習に顕著な不全を持つことを明らかにした。 alpha-chimerin遺伝子は3箇所の転写開始点をもち、各々alphal, alpha2, alpha3のアイソフォームを産生する。この内、alpha1とalpha2の発現が主体であり、alpha3の発現レベルは極めて低い。alpha1を特異的にノックアウトした変異マウスを作成したところ、このマウスは瞬目条件反射学習に全く異常を示さなかった。したがって、alpha2が主要な役割を担う事が示唆された。一方、プルキンエ細胞特異的な条件変異マウスを作製して解析したところ、プルキンエ細胞のalpha-chimerinは瞬目条件反射学習の獲得に必須ではないものの、タイミングの制御機構に関わる事が示唆された。プルキンエ細胞のシナプスはバーグマングリアの突起で包まれている。バーグマングリア間のギャップ結合を介したシグナル伝達が瞬目条件反射学習に及ぼす意義を明らかとするため、バーグマングリア特異的にConnexin 43を欠損する条件変異マウスを作成して解析した。その結果、Connexin 43がギャップ結合に重要な役割を担うことを証明する一方、これが瞬目条件反射学習に必須な役割を持たないことが明らかとされた。
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