研究課題/領域番号 |
20029004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
初貝 安弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80218495)
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研究分担者 |
丸山 勲 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任助教 (20422339)
有川 晃弘 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 研究員 (60402814)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 量子液体 / スピン液体 / ベリー位相 / トポロジカル秩序 / Z_2ベリー位相 / 対称性の破れ / グラフェン / 量子相転移 |
研究概要 |
量子液体相、スピン液体相の対称性の破れによらない分類、特徴付けをめざし、トポロジカル秩序、より広くは量子秩序の概念を用いた研究を行った。「トポロジカル秩序相」に関する研究手段にも種々あるが本公募研究においては量子力学固有の幾何学的位相に基づき、固有値問題に伴い必然的に生ずるゲージ変換の自由度とゲージ構造に着目し、ある種の秩序変数の類似物として量子化ベリー位相と一般化されたホール伝導度としてのチャーン数をまず用いる。これは量子系固有の量であり、古典的対応物を持たない。そのため、通常の相の理論としては明確な区別な困難な相に対しても有効な相分類が行えることとなる。この一般論の有効性は複数の論文において公表してあるが、本年度は概念の一層の発展を図るとともに、これらをより広範囲な強相関電子系、スピン系における「量子液体相」に対して適用し、各物質相のより深い理解と量子相転移の記述を目指した。具体的な量子液体としては量子ホール系、グラフェン、ハバード模型に代表される強相関電子系の模型等があるが、本年度はボーズアインシュタイン凝縮相とBCS超伝導相とのクロスオーバ現象に着目して、これを局所的ひねりを導入することによる局所的量子相転移として捕らえることに成功し、これを論文にまとめ、公表した。また、直交ダイマ模型と呼ばれる2次元の模型での有効性も確認し、現在論文執筆中である。さらに、特に本年度が公募研究最終年度であることに鑑み、研究成果の取りまとめとその国際会議等での発表等の情報発信を精力的に行った。
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