研究課題/領域番号 |
20029005
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡本 徹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60245371)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2009年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 低温物性 / 表面・界面物性 / 半導体物性 / 強相関電子系 |
研究概要 |
世界最高移動度を誇るSi/SiGeヘテロ接合二次元電子系試料に対して、(1)金属・絶縁体領域転移におけるサイクロトロン共鳴の実験と、(2)谷分離と量子井戸幅との関係を調べるための実験、を行った。 (1) に関しては、自作した高感度ボロメータを用いて100GHzのミリ波の透過強度の磁場依存性から、サイクロトロン共鳴吸収線幅を得た。線幅から求めた散乱時間は温度の低下とともに増大し、電気抵抗から得られる散乱時間と、似通った絶対値および温度依存性を示した。100GHzにおける光子のエネルギーは、金属的振る舞いが顕著に観測される温度領域での熱エネルギーよりも高い。実験結果は、散乱時間やその金属的温度依存性が、振動電場のエネルギースケールに依存しないことを示唆する。 (2) に関しては、井戸幅の異なる4つの試料に対して、磁場中の電気伝導測定を行った。まず、谷分離に相当するランダウ準位充填率ν=1での縦抵抗の極小値の温度依存性から活性化エネルギーを求めた。井戸幅4nmおよび5.3nmの試料における活性化エネルギーは、井戸幅10nmおよび20nmの試料における活性化エネルギーよりも一桁程度大きかった。こうして得られた活性化エネルギーには、電子相関による増強効果も含まれるため、谷分離エネルギーに1対1に対応させることはできないが、さらにゼーマン分離エネルギーと比較することにより、裸の谷分離エネルギーのおおよその値を得ることができた。裸の谷分離エネルギーと井戸幅との関係に関しては、シリコン中の電子スピンを量子計算に応用した場合のデゴヒーレンスの問題と関連して近年注目され、多くの計算が行われてきたが、今回初めて検証実験が行われた。
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