研究課題/領域番号 |
20029008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 新潟大学 (2009) 東京大学 (2008) |
研究代表者 |
柳瀬 陽一 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70332575)
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研究分担者 |
宇田川 将文 東京大学, 工学系研究科, 助教 (80431790)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2009年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | スピン三重項超伝導 / dベクトル / ヴァン・ブレック帯磁率 / 層状欠陥 / ルテニウム酸化物 / 空間反転対称性が破れた超伝導 / BCS-BECクロスオーバー / 空間反転対称性がない超伝導 / FFLO超流動 |
研究概要 |
スピン三重項超伝導体はベクトル型の秩序変数を持ち、それはdベクトルと呼ばれる。我々はdベクトルの構造を微視的に決定する理論の構築を行ってきた。その結果から、dベクトルの物理が空間反転対称性の有無によって全く異なることが分かってきた。今年度は、層状欠陥を持つスピン三重項超伝導体を解析した。そして、それが空間反転対称性がある系とない系の両方の性質を併せ持ち、新しいタイプのdベクトルの構造を持つことを発見した。 具体的な対象として、Sr2RuO4-Sr3Ru2O7共晶系とCePt3Siの2つの超伝導体を議論した。これらはスピン三重項超伝導体であると考えられており、層状欠陥の存在が示唆されている。これらについて、2つの興味深い現象が示された。CePt3Siについては、乱れによる転移温度の増大が実験的に示されている。この異常な振る舞いがランダムネスによるグローバルな空間反転対称性の回復によることが分かった。Sr2RuO4-Sr3Ru2O7共晶系では、バルクで実現しているカイラル超伝導状態とは異なるヘリカル超伝導状態が安定となることを見出した。このことからSr2RuO4-Sr3Ru2O7共晶系で期待される新しい超伝導現象について提案した。 さらに、スピン三重項超伝導体を特徴づける帯磁率の多軌道系におけるふるまいを調べた。スピン・軌道相互作用と電子相関効果の影響を調べた結果から、パウリ帯磁率とヴァン・ブレック帯磁率の分離の仕方に非自明な性質が現れることを示した。この結果は、スピン三重項超伝導を決定づける実験結果の解釈を行うために必要な理論的基礎付けを与えた。
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