研究課題/領域番号 |
20029018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
青木 勇二 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (20231772)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2009年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2008年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 超伝導 / スクッテルダイト / 四極子エキシトン / 時間反転対称性の破れ |
研究概要 |
f電子の四極子(軌道)揺らぎに起因して、非従来型の超伝導相が実現していると期待される充填スクッテルダイトPrOs_4Sb_<12>重い電子超伝導体において、超純良単結晶試料をベースに、下記の2種類の実験を行い、この超伝導相の対形成機構の解明に迫る研究を推進し、下記の成果を得た。 1. 結晶場励起とラトリング原子振動のエネルギー交差の発見 OsサイトをRuで部分的に置換したPr(Os_<1-x>Ru_x)_4Sb_<12>において、結晶場励起エネルギーとラトリング原子振動エネルギーが中間濃度で交差する現象を見出した。この両者の励起が結合した新たなタイプの励起が発現している可能性がある。交差が起こる物質が限られているため、この現象に関する実験研究は過去にほとんどなく、本物質系は貴重な研究の場を提供している。今後、中性子非弾性散乱などにより調べて行く予定である。また、この交差濃度で超伝導転移温度が最小値を持つことから、超伝導との相関を明らかにしていくことも重要である。 2. Prサイト充填率の4f電子状態および超伝導特性への影響 超伝導体PrOs_4Sb_<12>の試料育成条件を変えることにより、Prサイトの充填率を制御できることを明らかにしてきた。この特性を利用して、Prサイト充填率の異なる試料を系統的に育成し、超伝導特性や各種物性測定を行った結果を整理し論文にまとめた。主たる成果は、(1) Prイオンの4f電子の結晶場第一励起状態のエネルギー準位が、Prサイト充填率に依存して大きく変化すること、および、(2)この結晶場励起エネルギーと超伝導転移温度に相関が見られること、である。
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