研究課題/領域番号 |
20030007
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
中村 敏和 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 准教授 (50245370)
|
研究分担者 |
松岡 秀人 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90414002)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2009
|
研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2009年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 光合成 / シアノバクテリア / 光化学系II / 多周波ESR / パルスESR / 単結晶ESR / 酸素発生中心 / 光化単系II |
研究概要 |
昨年度に引き続き、酸素発生過程の解明に向けてシアノバクテリア由来PSII反応中心のW-bandパルスESR分光法による研究を行った。まず、primary electron donor(P680)とMn_4クラスターとの間に位置し、水酸化-酸素発生過程で生じるプロトンおよび電子移動に深く関わっているチロシン残基D1-Tyr161 (Tyr-Z)の単結晶および凍結溶液を対象とした。253Kに温度設定したESR共振器内でキセノンランプによる光照射後(20秒間)、直ちに測定温度(80K)まで試料を凍結させることでチロシンラジカルTyr-Zをトラップした。共振器サイズに合わせた直径0.5mmの光ファイバーでサンプル直上まで光を誘導し、効率の良い光照射を可能とした。自作のシミュレーションプログラムを用い解析を行った結果、結晶軸に対するチロシンTyr-DおよびTyrZの分子配向ならびにg値を決定することができた。これまでに報告されている結晶構造解析ではTyr-DおよびTyr-ZはC_2対称の関係にあるとされてきたが、ESRによる精度の高い測定の結果、それらはC_2対称からずれた相対配向であることがわかった。また、得られたgテンソルに対して密度汎関数法を用いた量子化学計算による考察を行った結果、Tyr-Zの方がより強い水素結合を有していることを明らかにした。今後、酸素発生に関わる水分子の情報を得るためパルスESR装置のさらなる改良を行い、Eletron-electron Double resonance-detected NMR (EDNMR)測定を行っていく予定である。
|