研究課題/領域番号 |
20031015
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
若井 千尋 京都大学, 化学研究所, 助教 (40293948)
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研究分担者 |
中原 勝 京都大学, 化学研究所, 教授 (20025480)
松林 伸幸 京都大学, 化学研究所, 准教授 (20281107)
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研究期間 (年度) |
2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | イオン液体 / 液体構造 / ダイナミクス / 核磁気共鳴 / 分子動力学計算 |
研究概要 |
『イオン液体』は新しい溶液反応場として注目されており、反応速度や選択性が有機溶媒及び水中と異なるとの報告が数多くなされている。しかし、「イオン液体ならしめているものは何か?」との問いに対し、有機イオンからなる複雑液体の原子サイトレベルでの液体構造解析による答えは得られていない。本研究では、1H及び19F-NOE効果を用いることにより、空間的に近い水素及びフッ素原子核同士の距離を決定し、液体構造を明らかにすることを主な研究目標とした。本年度は、まず、カチオンに多く含まれる水素原子のNOE効果を観測した。その結果、同じ正の電荷を持って、静電気的には反発しているにもかかわらず、カチオン間の水素原子は非常に近くに存在できることを明らかにした。カチオンから見た液体構造は、カチオンの面が平行な構造と反平行な構造をとり、その揺らぎによって水素原子間距離が近くに存在しうるものと結論した。 また、イオン液体中での反応の研究において、不純物の存在、特に強酸が存在すると強く触媒作用を発揮してしまうため、この存在量の定量と除去方法の確立がもう一つの目的であった。これまで微量の強酸不純物の定量法はなかった。我々は微量の水を指示薬として用い、その化学シフトの水濃度依存性を用いることによって極微量の強酸不純物の定量することに成功した。さらに、この強酸不純物を除去するのに有機溶媒を用いた再結晶法が非常に有効であることを初めて明らかにした。
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