研究課題/領域番号 |
20031017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
垣内 隆 京都大学, 工学研究科, 教授 (20135552)
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研究分担者 |
西 直哉 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10372567)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2009年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2008年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | イオン液体 / 界面 / 鎖形成 / 電気化学 / イオノフォア |
研究概要 |
水との2相系で広い分極電位窓を示す超疎水性イオン液体としてこれまでにも用いてきたN-octadecylisoquinolinium tetrakis[3,5-bis(trifluoromethyl)-phenyl]borateをさらに十分に精製して得た薄茶色の透明なイオン液体について、dibenzo-18-crown-6(DB18C6)およびcis-syn-cis-dicyclohexano-18-crown-6(DCH18C6)によるアルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンの促進イオン移動をボルタンメトリーで調べ、安定度定数Kを見積もった。DB18C6の場合の結果を右上図に示す。以前に報告した[2]粗製イオン液体を用いた場合に比べて、おしなべて一桁大きな安定度定数を得た。精製によるイオン液体物性の変化と、ボルタンメトリーにおける残余電流の現象が主な原因であると考えられる。イオン選択性は、先の報告と同じく、ジクロルメタン(DCM)やニトロベンゼン(NB)とは異なり、Na+に比してK^+に対して一桁大きな選択性を示した。一方、DCH18C6による促進イオン移動の結果(右下図)は、全体として安定度定数が上の場合と比べて3桁程度大きくなっており、K^+については、logK>14で、測定できないほど大きかった。また、Kの値は、DCM中における値と比べて有意に大きかった。これは、上のDB18C6とは異なっており、イオン液体が作る特殊な環境の効果、クラウンエーテルの分子構造に依存することを示す。Ba^<2+>, Sr^<2+>の促進イオン移動では、アルカリ金属イオンの場合とは異なり、イオン移動が電気化学的に準可逆となり、界面における律速段階の存在が示された。これは、イオン液体電気二重層の超緩慢緩和過程[3]との関連で、きわめて興味深い。
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