研究課題/領域番号 |
20033020
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
長尾 隆司 金沢工業大学, バイオ・化学部, 教授 (70113595)
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研究分担者 |
田森 佳秀 バイオ, 化学部, 准教授 (00260208)
岸上 明生 バイオ, 化学部, 准教授 (40261177)
佐々木 謙 バイオ, 化学部, 准教授 (40387353)
小川 宏人 北海道大学, 理学研究院・生命機能科学分野, 准教授 (70301463)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
2009年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2008年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 行動 / 生体アミン / 発達 / 昆虫 / 脳 / 鍵刺激 / 分子標的法 |
研究概要 |
限定的な感覚遮断による隔離飼育と集団飼育における性行動の発達を比べてみると、性行動の発達には幼虫期の社会的経験が不可欠であるように見える。しかし、隔離によって雌の存在が雄の性行動のリリーサとして機能しなくなっても、羽化直後の社会的経験によって回復することがわかった。性行動の発達には、幼虫期の社会的経験だけでなく羽化後の社会的経験も関わっていると考えられる。社会的経験の構成要因には、触れ合いにともなう機械刺激や体表化学物質による化学刺激の関与が考えられるが、幼虫期の機械刺激のみで闘争行動が発達したのに対し、幼虫期の機械刺激や化学刺激はそれぞれ単独では性行動の発達要因とはなり得なかった。性行動の発達には、視覚をも含む感覚情報の整合性を満たすことが必要と考えられる。 octopamineやserotoninなどの生体アミンは、昆虫の中枢や体液中に存在し行動の発現を調節する神経ホルモンとしてはたらいている。生体アミンによる行動発達調節の分子機構を明らかにするために、molecular targeting法(分子標的法)の開発を行った。その結果、細胞表面にoctopamine結合タンパク質を含む細胞を標的とする毒の作成に成功した。この神経毒をコオロギの腹腔中に注入した場合の行動発現への影響を調べたところ、注入後の時間経過と共に性行動の発現や攻撃性の低下が見られた。コオロギの行動の発達に関わる生体アミンの空間的、時間的調節のしくみを理解する上でmolecular targeting法が強力なツールになることが明らかになった。
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