研究課題/領域番号 |
20033023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
伊藤 悦朗 徳島文理大学, 香川薬学部, 教授 (80203131)
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研究分担者 |
池野 英利 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (80176114)
木村 敏文 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (00316035)
岡田 龍一 徳島文理大学, 香川薬学部, 研究員 (20423006)
大橋 瑞江 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (30453153)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
2009年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2008年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 神経行動学 / 昆虫 / シミュレーション / モデル化 / 脳・神経 / ミツバチ / コミュニケーション |
研究概要 |
花から巣に戻ったミツバチは訪れた花の位置(情報)を、「8の字ダンス」という特異的な行動によって巣内のミツバチに伝える。このようなミツバチの社会性の研究は生物学だけからのアプローチでは解明が難しく、工学系研究者との共同研究によって8の字ダンスに挑戦すれば、必ずや世界に先駆けてそのメカニズムを明らかにできると考え、本研究を進めてきた。われわれはミツバチの社会性適応行動を例に取り、特にその中でも他者とのコミュニケーション手段である「8の字ダンス」の基本機序をシステムとして理解を深めながら、社会性適応のための行動変容機構を明らかにすることが本研究課題の目的である。これまで生物データの取得のためにミツバチのダンス行動をビデオ撮影してきた。解析の結果、巣内ミツバチの歩行パターンと1秒あたりの最大移動距離、ダンスの発生場所の分布、ダンス情報の性質、追従バチの追従パターンなど、モデル構築に必要な多くのパラメータを取得した。そこで今年度はこれらのパラメータを利用して、ミツバチの採餌行動のマルコフモデルを構築後、シミュレーション実験を行った。その結果、われわれのモデルはミツバチの採餌行動をよく表現できていること、ダンスによる情報伝達は採餌の効率をあげていることなどがわかった。これらと平行して、ミツバチの行動は巣内外の環境に柔軟に適応して調節されるので巣内外の環境を自動で経時的に計測するためのシステムも同時に構築した。また、効率よく行動パラメータを取得するために、ベクトル量子化法を用いた、ミツバチの自動追跡システムを開発した。これらのことから得られる結果を組み合わせることで、ダンス行動によるコロニー維持の効果や情報の伝搬様式などのより深い理解につながると期待される。
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