研究課題/領域番号 |
20033025
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター (2009) 生理学研究所 (2008) |
研究代表者 |
関 和彦 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所モデル動物開発部, 部長 (00226630)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
2009年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
2008年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 運動制御 / 手 / 脊髄 / 霊長類 / 筋シナジー / サル / 随意運動 |
研究概要 |
随意運動制御の神経機構を理解する上で最も困難な問題が、生体の筋骨格系の有する高度冗長自由度である。例えば、ヒトの手の運動には39種類の骨格筋が関わつているが、脳がこの冗長自由度を処理する機構については明らかにされていない。筋シナジーを用いることによって、膨大であった自由度を脳によって制御可能なレベルに減少させているという考え方が有力であるが、筋シナジーを生成する具体的な神経機構については全く明らかにされていない。そこで、本研究では「脊髄神経回路が随意運動時の筋シナジーを生成する基盤である」という仮説を検証する事を目的とした。そのために、特に高度な冗長自由度の制御が必要な把握運動をサル行わせ、1.手指の筋活動、2.脊髄介在神経の活動を同時に記録し、3.介在神経-筋間の結合様式と介在神経の活動様式との関係を主成分分析によって調べることにより、脊髄介在神経が把握運動における筋シナジーの発生にどのように貢献しているのかを検討した。その結果、記録された大半(約80%)の脊髄ニューロンは把握運動の課題依存性変化を示し、脊髄介在ニューロンの筋フィールドは主に手内在筋または手内在筋-手外在筋の中に存在しているとわかった。また、脊髄ニューロンの筋フィールドは平均2.3個から形成されており、本研究において記録されたPreM-INsの多くは興奮性ニューロンであった一方、筋フィールドを持つ抑制性ニューロンは少なかった。今後も同様な神経生理学的実験を行うことによって、これまで知られていなかった脊髄の随意運動への貢献が説明できると思っている。
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