研究課題/領域番号 |
20033029
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
筧 慎治 (財)東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (40224365)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2009年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2008年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 手首運動 / 運動制御システム / 予測制御 / フィドバック制御 / 運動指令 / 定量的運動機能評価 / リハビリテーション / 小脳疾患 / 脳卒中 / 筋電図 / フィードバック制御 |
研究概要 |
平成21年は4個活動時系列から脳内の運動制御器に関する情報を抽出する方法論の確立を目指して研究を進めた。特に神経疾患を治療する上でのナビゲーターとなるようなシステムの中核技術の確立を目指した。具体的には、4個の筋活動の時系列から患者さんの異常運動を特徴付けるパラメータを抽出する方法論に関するものである。昨年度の後半に、筋活動分析方法の抜本的見直しを行った。その結果、動く指標を追跡する運動における4個のEMGと対応する手首の動きの分析から、筋活動を、予測的制御を行うと考えられるコントローラに由来する成分と、フィードバック的制御を行うと考えられるコントローラに由来する成分に分離する世界初の成果を得た。しかし本当に「予測的」な運動指令であるのか、「フィードバック的」な運動指令であるのかの分析はあくまでも定性的なものに留まっていたため、実用的な応用の基礎とするためには、根拠となるより厳密な制御器の同定が必要であった。そこで本年度は「予測的」、「フィードバック的」性質を証明するための様々な分析を試みた。世界的にみても前例のない研究であり、困難を極めたが、最終的に予測的、フィードバック的であることを統計的に極めて有意なレベルで示すことに成功した。その結果、様々な神経疾患(例えば脳卒中、パーキンソン病、小脳疾患等)の病態を、2つの運動制御器の状態に1帰着して精密に定量的に評価する世界初の方法論を確立できた。我々のシステムはこの高度な分析を簡便かつ非侵襲的に行えるという点で、実用性の観点からも画期的と考えられる。
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