研究課題/領域番号 |
20034002
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10312539)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | アクチン骨格 / Dronpa / イメージング / 細胞運動 / シグナル伝達 / DronDa |
研究概要 |
本研究課題により、アクチン骨格を構成する単量体アクチンの生細胞内における濃度測定の方法を開発し、さらに、任意の局所におけるアクチン濃度の経時変化を測定する方法を開発することに成功した。可逆的光活性化蛍光蛋白質であるDronpaを融合したアクチンを細胞に発現させ、全体を励起光による退色後、局所のDronpaを光活性化し、その拡散による蛍光減衰曲線から重合したアクチンと拡散する単分子の成分を分離して抽出することで単量体アクチンの濃度を算出するものである。これを連続して行うことで濃度の経時変化を追うことも可能となった。この方法を用いて、細胞運動における単量体アクチン濃度の変化を解析し、細胞が静的状態から刺激依存的な運動を引き起こす際に、細胞内の単量体アクチンを4割程度重合していることが明らかとなった。また、運動時のアクチン重合とアクチン骨格による仮足形成により複雑な過程があることを示唆する結果を得た。さらに、任意の部位における単量体アクチンの濃度変化を測定した結果、細胞内における単量体アクチンの拡散は早く、細胞移動時の前方や後方において単量体アクチンの濃度に有為な差がないことが明らかとなった。本研究で開発した方法は、単量体の分子の濃度の測定に限らず、細胞膜や細胞骨格に結合した分子の量や結合と解離の速度の変化を測定することができる方法であることが示唆された。細胞内の多くの蛋白質は流動的に局在を変化させ、標的となる部位への局在と離脱を繰り返している。本研究によって開発された解析方法はこのような細胞内分子の時空間的制御の解析に有効であると考えられる。
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