研究課題/領域番号 |
20034033
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
齋藤 敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (70418771)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2009年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 細胞 / 光増感 / 自己組織化 / 再生医療 / 酸化 / 細胞膜 / タンパク / パターニング |
研究概要 |
細胞は生物の基本的な構成要素で、細胞は自分自身でその機能を保つことが出来る最小単位である。近年大きく期待されている再生医療の実現には、細胞の機能の高度な制御が欠かせないが、どのように細胞を制御するかについては、現在の技術では細胞集団を対象に、一括して簡単な指示を出すことしか出来ない。我々は独自技術として、光により制御可能な細胞膜局所酸化による細胞内物質導入を研究している。この方法では細胞集団を対象に、印刷のように任意のパターンで細胞内に物質を導入することが期待される。昨年度は、ナノ剣山状の表面構造を持つ細胞膜穿孔樹脂シートの開発と、細胞群への自動運用システムの開発に成功している。 本年度は細胞膜穿孔シートの安全性の向上およびパターン作製、また結果の迅速な評価のために穿孔法に加え観察法の自動化を進めた。その結果、接着細胞であるHeLa細胞に対して、従来の紫外線よりも安全な可視光での穿孔反応により、細胞膜不透過性蛍光色素であるAlexafluor 594や、同じく細胞膜を透過しがたいGFPタンパクの導入が達成されたことを蛍光観察により確認した。また、微細加工技術によりシートの作成用転写鋳型をいくつかのパターンで作製に成功した。しかしながらこのようなパターン導入を安定して行うには、適用細胞数や物質導入パターンに応じて、穿孔樹脂シートの加圧条件を最適化させる必要があり、今後の課題となった。しかしながら最も効率のよかった実験例においては、細胞内導入物質が蛍光色素のみならずタンパク質であった場合でもほぼ100%の導入が可能であることを実証した。今後は細胞群に対し様々なパターンで安定した物質導入が行えるよう、一層のシステムの改良を進める予定である。
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