研究課題/領域番号 |
20034043
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井藤 彰 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60345915)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2009年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2008年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 再生医療 / ティッシュエンジニアリング / 筋組織 / 培養表皮 / 血管新生 / 抗菌ペプチド / 磁性ナノ粒子 / マグネタイト / 細胞シート / パターニング / 血管内皮細胞 |
研究概要 |
次世代の生体組織構築技術におけるキーテクノロジーになると考えられる細胞の操作技術について、磁性ナノ粒子を用いた磁気細胞操作の開発を行い、磁力を用いた再生医工学技術(Mag-TE法)を開発することを目的とした。本年度は、実験計画に基づき、主に以下の点に関して研究を行った。 1. 磁力を用いたVEGF遺伝子導入細胞シートの作製と機能評価 筋芽細胞株C2C12細胞に血管新生を誘導するサイトカインであるVEGFの遺伝子を導入し、さらに正電荷脂質包埋型磁性ナノ粒子(MCL)を用いてC2C12細胞を磁気標識し、磁力によって細胞を積層化することによってVEGF遺伝子導入細胞シートを作製した。作製した細胞シートは、VEGFが分泌されていることをウエスタンブロット法で確認し、さらに導入したVEGFが正常に機能することを、血管内皮細胞の遊走および増殖・毛細血管形成能で確認した。さらに本方法で作製した遺伝子導入細胞シートをヌードマウスの皮下に移植することで、VEGF遺伝子導入の効果について検証した。移植した組織は、VEGF遺伝子を導入しなかった対照群と比較して有意に厚い組織を形成し、また、血管内皮特異的マーカー抗体による染色によって、血管内皮細胞や毛細血管の組織内に占める割合が有意に増加していることが分かった。これらの結果から、VEGF遺伝子導入細胞シートは移植に有用である可能性が示された。 2. 磁力を用いた抗菌ペプチド遺伝子導入表皮細胞シートの作製と機能評価 表皮角化細胞株HaCaT細胞に抗菌ペプチドHBD-3の遺伝子を導入し、Mag-TE法で細胞を積層化することによってHBD-3遺伝子導入細胞シートを作製した。作製した細胞シートは大腸菌に対する抗菌活性を示したことから、本アプローチは再生医療に有用である可能性が示された。
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