研究課題/領域番号 |
20034057
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
柏木 健司 癌研究会, 研究員 (30399331)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2009年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2008年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ファージ / 液晶 / チタン / ポリスチレン / 細胞接着 / ハイドロゲル / 細胞外基質 / 間葉系幹細胞 |
研究概要 |
本研究を行うに当たり、繊維状ファージの末端側に位置するコートタンパク質pIII にチタン表面結合ペプチドを提示したファージの他に、同タンパク質にポリスチレン結合ペプチド、細胞接着ペプチドを提示したファージを作成した。また、pIIIの反対側の末端に存在するマイナーコートタンパク質pVII、plX にそれらのペプチド提示したファージを作成した。 チタン表面結合ファージのバイオマテリアル利用の可能性を検討するため、FITCにてファージ粒子を直接蛍光ラべルし、これを湿式研磨を施した板状の純チタンへ結合させた。この上にマウス間葉系幹細胞株であるC3H10T1/2を播種し10 %血清を含む培地で一晩培養した。細胞が接着していないチタン表面において、ペプチド非提示のファージと比較して明らかに蛍光強度の増大がみられ、この条件に於いて細胞外基質としての利用が可能なことを確認した。また、pIIIおよびpVIIにポリスチレン結合ペプチドを提示したファージのポリスチレン製の培養皿への結合を、抗ファージ抗体を用いたELIlSA により確認した。今後、繊維状ファージの両端に異なるペプチドを提示したファージを作成することにより材料表面の機能化を行う予定である。 上記とは別に、繊維状ファージの液晶配向能を利用した新規材料の開発を試みた。繊維状ファージの濃厚水溶液を作成し液晶を形成させ、これをグルタルアルデヒドで化学的に架橋することにより、液晶の光学特性を保ったハイドロゲルが形成されることを見いだした。細胞接着ペプチドを提示した繊維状ファージでハイドロゲルを作成し、この上に細胞を播種したところ、細胞の接着性の向上が確認された。今後、種々のペプチドを繊維状ファージ上に提示したハイドロゲルを作成し、その機能評価を行っていく予定である。
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