研究課題/領域番号 |
20035013
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大毛利 健治 早稲田大学, ナノ理工学研究機構, 准教授 (00421438)
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研究分担者 |
山田 啓作 ナノ理工学研究機構, 客員教授(専任扱い) (30386734)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2008年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | MOSFET / 極浅接合 / メタル・ソース・ドレイン / Niシリサイド / ショットキー障壁 |
研究概要 |
本研究の目的は、MOSFET構造のエクステンションにシリサイド材料を適用し、ソース・ドレイン間抵抗の低減とソース領域でのキャリア数増加によりMOSFETの駆動力を向上させることにある。Niシリサイドは耐熱性に乏しく、熱処理による界面の荒れが浅接合の形成を阻害し、さらに、ナノワイヤトランジスタ等の立体構造にした場合に、シリサイド反応を以下に制御するかは未解決である。我々は、異種元素を添加したNiシリサイドを形成することにより、Niシリサイドをエクステンションに用いたMOSFETの作製を検討した。 これまでは初期Niの膜厚が6nm程度の場合において耐熱性が検討されてきた。NiSi2を形成した場合、膜厚は3.6倍になるためその接合厚さは21.6nmとなる。ITRSにより2012年にエクステンションとして求められる膜厚は、4.5nmである。そこで、Ni膜厚を更に薄くした場合のシート抵抗を調べた結果、500℃を境に特性が異なり、低温領域では、シート抵抗は薄い方が高く、モノシリサイド膜厚に依存する。一方、高温領域では、Niが厚い場合は、凝集による抵抗の増加が見られたのに対して、Ni膜厚2nmの場合、抵抗の増加が顕著ではない。この実験結果は、膜厚が2nmの場合、格子不整合によるストレスを膜に内包できうることを示唆している。Ni膜厚2nmにおいて膜の積層構造を変えて調べた結果、高温熱処理後において膜の構造によらずに平坦であることが判った。 しかしながら、上記の積層膜をMOSFETのエクステンションに用いた場合、イオン注入プロセス時に、膜の構造緩和すなわち凝集を促進してしまうことが示唆された。これにより、サイドウォールで保護されているエクステンション領域に置いても、平滑な界面を保持することが困難であり、接合リーク電流の増加をもたらしたものと考える。
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