研究課題/領域番号 |
20036023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正浩 京都大学, 工学研究科, 教授 (20174279)
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研究期間 (年度) |
2008 – 2009
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研究課題ステータス |
完了 (2009年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2009年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2008年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | パラジウム / ホウ素 / ボラート / 発光材料 / 9-BBN / ボリン酸エステル / タモキシフェン / 鈴木-宮浦カップリング / π共役系 / 有機合成 / 有機エレクトロニクス / 電子輸送材料 / 有機EL |
研究概要 |
有機ホウ素化合物は有機合成試薬としてのみならず、有機電子材料としても近年注目を集めている化合物群である。本研究ではアルキニルボラートのパラジウム触媒反応の開発ならびにそれらを用いた新しい機能性材料の創製を目的として検討を行った。まず、既に開発したパラジウム触媒反応を用い、ノルボルネン部位を導入したアルキニルボラートと2-ブロモキノリンを反応させて重合可能なユニットを持つキノリン-ボラン錯体モノマーを合成した。これをグラブス触媒によって開環メタセシス重合させることで高分子量のポリマーを得ることができた。これらはモノマーと同様に発光し、同様の可視吸収、蛍光スペクトルを示す。また、モノマーよりも高い熱的安定性を有しており、溶媒に対する溶解度も高い。従って塗布可能な有機発光材料としての利用が期待される。 また、9-BBN骨格を有するアルキニルボラートとアリールハライドとの反応により(三置換アルケニル)-9-BBNが立体選択的に得られることを見いだした。この反応では9-BBN骨格は転位することなく、生成物中においてもそのまま維持されていた。得られた(三置換アルケニル)-9-BBNは空気中不安定であったが、トリメチルアミン-N-オキシドを作用させてボリン酸エステルへと転換することで安定に単離することができた。これらは鈴木-宮浦カップリング反応に利用することができ、乳がん治療薬として利用されているタモキシフェンの両立体異性体を合成することができた。従ってボリン酸エステルは保存可能な合成試薬としての利用が期待される。
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